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ミニ勉強会@玉野市

 次の日時にて、玉野市の雇用促進住宅で原発事故に関するミニ勉強会を開催します。
 当弁護団から複数の弁護人が参加予定です。


日時:2013年9月30日(月)9:30~
場所:雇用促進住宅後閑宿舎 集会所
   玉野市後閑1-13



追記

5世帯が参加され,アットホームな雰囲気で勉強会を行うことができました。
ご協力いただき,ありがとうございました。
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平成25年10月19日原発事故賠償説明会+なんでも相談会を開催します

第2回
「原発事故賠償説明会+なんでも相談会」
~全国の原発訴訟とADRの現状報告~ 開催等のお知らせ

下記日程で,原発事故賠償請求についての説明会を開催いたします。


 日本各地で東電・国に対する損害賠償訴訟が提起され,東電・国側からの反論も出始めています。
 本説明会では,3月11日に訴訟を提起した「生業を返せ,地域を返せ!」福島原発事故被害弁護団から馬奈木厳太郎を迎え,[訴訟]及び[原子力損害賠償紛争解決センター(通称:原発ADR)]でどのような範囲の損害賠償を請求しているのか等情報提供いたします。
 なお,本説明会は,5月25日に行われた説明会の続編となっており,前回の説明会以後の状況もご説明いたします。

 説明会の後には,原発事故に伴う損害賠償問題に限らず,東日本大震災に伴って生じた法律問題について弁護士に相談できるなんでも相談会(相談料無料)を行います。

 説明会と相談会はいずれも予約は不要です。




日時10月19日(土)13:30~16:00
場所きらめきプラザ7F 705会議室
岡山市北区南方2丁目13-1

※駐車場は使えませんので,公共交通機関か近隣の有料駐車場をご利用ください。
講師「生業を返せ,地域を返せ!」福島原発事故被害弁護団
事務局長 馬奈木厳太郎弁護士(東京合同法律事務所)
問い合わせ先荒木法律事務所荒木裕之
(岡山弁護士会東日本大震災復興支援対策PT事務局長)
(電話)086-226-0335


追記

チラシを作成しました。

原発賠償説明会チラシ


託児所を併設する予定ですので,ご利用希望の方は,上記連絡先まで事前にご連絡くださいますようお願いします。

団長の福島訪問記

9月6日(金)と7日(土)に福島にいってきました。

日本弁護士連合会は、10月3日(木)に広島で人権大会を開きますが、その中で「放射能による人権侵害の根絶をめざして」と題してシンポジュームを開きます。その人権大会のプレシンポジュームとして、福島弁護士会主催で開かれたものです。

その企画の中で原発周辺地域の視察もあるということなので、現地の様子を見たいと思っていってきました。

現地視察はバスで巡るものですが、二つのコースが設定されており、一つは原発の北側を中心とした地域、もう一つは南を中心とした地域です。

私は、南を中心とした地域にいってきました。市長村としては、郡山市、田村市、川内村、富岡町、楢葉町です。

翌日は、浪江町と川内村の町村長や学者などを交えたシンポがありました。

今回の訪問記は、現地視察を中心に私が感じたことをお伝えしたいと思います。

 6日午前11時出発でしたので、それまで郡山市内を歩きました。団長挨拶でも書きましたが、私は震災の年の7月に東北の津波被害視察のあと郡山に一泊しましたが、そのときは思いませんでしたが、市内を歩くと各公園に放射能の測定器(モニタリングポスト)がありました。

これは、普通の街と比べて異質な風景でした。裁判所近くの公園で、8月28日除染したという看板がありました。除染前1,64、除染後0,26と書いてありました。

市立図書館横の公園でも8月28日除染したという看板があり、除染前1,64、除染後0,71とありました。

除染後でも、目標値の年間1ミリシーベルト、時間あたり0,23をクリヤーしていないことを示していました。

視察のバスの中で郡山の弁護士さんが、自分の事務所の周辺は線量が高く、この秋除染予定ですといっていました。福島市はもっと高いとも。

郡山市は自主避難地域ですが、おそらく多くの街でこのような状況で生活されていると思い、今更ながら衝撃をうけました。

 視察は郡山市の「ヘップキッズ郡山」という室内の子供の遊び場の施設の見学から始まりました。

放射能の汚染から屋外でこどもを遊ばせることに不安をもった親と子供たちのために室内の遊び場を確保した施設で、震災の年の12月にオープンした施設でした。6ヶ月から12才までの子供が対象で、2時間を限度で無料という施設です。多くの子供や親たちが遊んでいました。

かなり広い施設で大型遊具や創意工夫をこらした遊具がならんでいました。現在では、野外で遊ぶ子供達もいるとのことでしたが、ここと併用しているようでした。こんな施設をつくらないといけないという現実にまた考え込んでしまいました。

バスは、郡山市から田村市、川内村にはいっていきました。線量計はだんだんと高くなっていきました。道路の側には、放射能を除染した土壌などを入れた真っ黒な袋(フレコンパック)がたくさん並んでいる風景が段々多くなっていきました。

川内村は、役場機能ごと全村避難した村ですが、現在は帰村宣言をして村役場は戻ってきていました(平成24年4月から帰村)。

村役場で村長さんなどから、全村避難した当時の状況や帰村宣言をした経過や現在の様子などの説明をうけました。

現在、震災前3000人いた人口は1300人だということでした。川内村は、隣の富岡町に仕事や買い物、医療、福祉、高校などを依存していたそうですが、富岡町は現在居住禁止区域であり、これらをこれからどうするか、様々な模索(室内野菜育成工場建設、コンビニ開設など)をしておられました。

除染も民家は終了したが、0,23に下がらないところが40%あり、森林除染はこれからということで、国に対し、第2次の除染と森林除染を要請しているとのことでした。

 川内村から富岡町に入ると廃墟といっていい風景が広がりました。

富岡町は現在帰還困難区域、居住制限区域、避難指示準備解除区域に分割されていますが、居住できないことはかわりない地域です。

無人の住居は、周りが草ボウボウとなっていました。

海岸縁のJR常磐線富岡駅は地震津波で崩壊しており、線路もみえないほど草が生えており、周辺建物は廃墟でした。

この町には簡易裁判所などもありましたが、放置されていました。

 楢葉町に入りました。ここは、避難解除指示準備地区で除染が大々的に行われ、除染された土などが入った真っ黒な袋(フレコンパック)が大量に集積されていました。

集積場には3年間おかれて、その後国が中間保管施設に移動させることですが、その場所はまだきまっていません。

 その後、郡山市内にもどり、川内村や富岡町の人たちが集団避難したという展示場の「ビックパレット」とその横に立てられた仮設住宅をバスの中から見学しました。

仮設住宅にはまだ多くの人が避難生活をされているとのことでした。

郡山駅に戻ったときには、午後7時30分をまわっていました。

原発被害とはなにか、人が住めないとどうなるか、ふるさとを奪われるとはなどいろいろ考えさせられ衝撃をうけました。

翌日の午後のシンポまでの午前中、私の趣味である遺跡巡りで郡山市内の大安場古墳公園を見学しました。地震で墳丘がこわれたが修復したとのことでいってみました。

東北最大の前方後方墳ですが、ここにも放射線測定器がありました。

福島県内には、縄文、弥生、古墳の遺跡がおおくあります。原発影響をうけた浜通りの太平洋沿岸地域にも、フクシマ古代人は多くの生活の痕跡を残しています。

過去地震津波に襲われながらも、再建して代々地域をまもってきた営みが、原発被害という現代人の高度文明の化け物によって居住そのものを奪われ、立ち入って再建できないという悲劇は、なんだろうかと公園内の施設の縄文土器などをみながら情けない思いでいっぱいでした。

午後のシンポでは、原発被害と賠償などをめぐって活発な議論がありました。

 さて、岡山弁護士会は、きたる10月19日(土)に第2回「原発事故賠償説明会+なんでも相談会」をおこないます。

詳細は別途お知らせします。

第1回以降、全国状況もかわっており、賠償ADRでも賠償内容や賠償額について事例が多く積み上げられてきています。

また、訴訟も各地で国や東電の答弁書がでたり、各地で提訴がされる状況になっています。

これをうけて第2回では、このようなADRでの賠償額の現在の内容と現在の訴訟状況について説明するとともに「生業を返せ、地域をかえせ」福島原発事故被害弁護団から弁護士を呼んで、この訴訟の特徴の説明をしてもらいます。

この訴訟の特徴は、原告が避難された人々だけでなく、現地にとどまっている人も原告になっています。

そして、請求内容は、「居住地を一定の放射能濃度までさげることや原発事故後一定の濃度に下がるまで毎月5万円を支払え」というものであり、他の各地の請求とは違う訴訟内容となっています。

 これは、残った人も避難した人も同じ被害者という位置づけだと思います。先に書いた私の郡山のわすかな見聞でも感じた自主避難地域の郡山などの実情にあう考え方だと思います。

どうしてこのような訴訟にしたのか、そこでの被害の考え方や賠償請求の考え方はどうなのかなど詳細な報告があると思います。

私たちは、原発被害とはなにかを考えながら、それを引き起こしたものはなんなのか、この被害救済や生活再建はどのようにすべきかなど、この第2回説明会のなかでも被害を受けた皆様と一緒に考えたく、その情報を提供しようと思います。

多くの方の参加をお待ちしています。

ミニ勉強会@玉野市

9月30日の午前中に,玉野市にて,原発賠償問題についてのミニ勉強会を開催します。

詳細は,あらためてお知らせします。

日本弁護士連合会が声明と意見書を出しました

「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」に関する会長声明
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2013/130911.html

本年8月30日、復興庁は、原発事故子ども・被災者支援法(支援法)について、「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」(「基本方針案」)を公表した。支援法の施行から今日まで約1年2か月の間、福島第一原発事故の被害者は基本方針の策定を待ち続けてきた。まずは、この「基本方針案」の策定・公表までに時間を要しすぎているということを指摘せざるを得ない。

支援法は、住民・避難者からの意見反映のための措置をとることを明記しており、支援対象としている当事者から意見を聞くことは必要不可欠な手続である。しかし、復興庁は、事前に公聴会の開催等の措置を講ずることなく「基本方針案」を公表し、わずか2週間という極めて短期間の意見募集(パブリックコメント)を行っている。また、復興庁は、「基本方針案」についての説明会を9月11日に福島市で、9月13日に東京都江東区で開催することを、それぞれの開催日のわずか1週間前に告知し、そこで参加者からの意見を聞くとしている。周知のための期間を考えれば、パブリックコメントの期間を1か月間に延長すべきであり、また、説明会についても、多くの被災者が生活している福島県内での開催が1回限りというのは余りに限定的であり、さらに全国各地に避難者がいる状況を考えれば、それ以外の各地でも開催して、より多くの被災者からの直接の意見聴取を行うべきである。

次に、支援対象地域について、「基本方針案」は、事故後「相当な」線量が広がっていた福島県中通り・浜通り(避難指示区域を除く)のみを対象としている。事故による放射能汚染は、福島県に限られず、より広範な範囲に広がっていることからも、この支援対象地域の範囲は狭すぎるものであり、国会答弁においても、福島県外も支援対象地域となるとされていたことに鑑みると、このような対象地域の設定は立法者の意思に反するものといわざるを得ない。また、「基本方針案」においては、支援対象地域のみを「支援対象」とする施策は一つもなく、支援対象地域を定めた意味はほとんど存在しない。また、「準支援対象地域」も、既存の施策ごとに個別的に設定されているその施策の対象地域を、そのように名付けたものにすぎない。当連合会が、一貫して求めてきたように、2011年3月11日以降の1年間の追加被ばく線量が国際放射線防護委員会(ICRP)勧告の一般公衆の被ばく限度量である年間1ミリシーベルトを超えることが推定される全地域及び福島県の全域を「支援対象地域」とし、「支援対象地域」の住民には、避難の権利を実質的に保障するための必要な支援施策を実施することを強く求める。
続いて、「基本方針案」の施策に、福島県外への避難者に対する民間団体を活用した情報提供や相談対応、福島県外も対象とした自然体験の拡充が盛り込まれたことについては、これらの施策を適切な民間団体が担うことで、避難者の個別ニーズに対してきめ細かい対応が進む可能性もあり、この点は前向きに評価できる。

しかし、「基本方針案」の被災者生活支援等施策は、そのほとんどが既存施策の寄せ集めにすぎず、また居住者や帰還者に対する促進施策に偏っているが、一方で、居住者や帰還者に対しても損害賠償だけではまかなえないような被害に対する具体的支援策に乏しい。さらに、避難者に対する具体的な施策に乏しく、避難者から要望が強い新規避難者向けの住宅支援は含まれておらず、避難のための移動の支援に関する新たな施策も含まれていない。当事者が居住継続、避難及び帰還のいずれを選択したとしても等しく支援するという支援法の理念に沿ったものであるとは評価することができない。

また、福島県外における健康診断の実施や被災者への医療費の減免措置については、さらに今後の検討に委ねられることとされた。福島県の県民健康管理調査や調査結果に基づく二次検査などについて、県外避難者は、福島県で検査を受ける場合は交通費が支給されず、避難先で検査を受ける場合には医療費の一部負担を強いられている。支援法の施行後1年2か月以上経てようやく公表された「基本方針案」において、被災者にとって最も切実で重要な健康・医療関係の施策が先送りとされたことは誠に遺憾である。早期に、被災者に負担をかけない施策の策定を求めるものである。

支援法の確実な実施のためには、政府内に外部委員を交えた常設の諮問機関を設け、公開の場で支援法の実施のために継続的に協議していくことのできる体制を確立することが必要である。当連合会は、市民団体とも連携し、「原発事故子ども・被災者支援法ネットワーク」を組織し、支援法の確実な実施を求めて活動してきた。今後も、多くの被災当事者や支援グループと連携し、支援法の理念に沿った真の基本方針の制定とこれに基づく施策の実施を強く求め、政府に対して積極的に働きかけていく所存である。

2013年(平成25年)9月11日
 日本弁護士連合会
 会長 山岸 憲司


「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」に対する意見書
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2013/130911_2.html

日弁連は、復興庁の実施した「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」に対する意見募集に対し、2013年9月11日付けで「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」に対する意見書を取りまとめ、復興大臣に提出しました。

意見書の趣旨

1 支援対象地域について、以下のとおりとすべきである。
(1) 支援対象地域は、「相当な」線量が広がっていた福島県中通り・浜通りだけを対象とするのではなく、2011年3月11日以降の1年間の追加被ばく線量が国際放射線防護委員会(ICRP)勧告の一般公衆の被ばく限度量である年間1ミリシーベルトを超えることが推定される全地域及び福島県の全域とすること。
(2) 準支援対象地域も、上記の支援対象地域指定に伴って、より広い範囲に拡大すること。

2 福島県外への避難者に対する民間団体を活用した情報提供や相談対応や福島県外も対象とした自然体験の拡充については、前向きに評価できる施策であり、適切な実施主体を選定し、広く実施されるよう求める。

3 「基本方針案」の定める施策は、居住者や帰還者への対策に偏り、避難者への具体的な施策に乏しいといわざるを得ない。したがって、避難者から要望が強い新規避難者向けの住宅支援や避難のための移動の支援に関する新たな施策を求める。

4 福島県外における健康診断の実施や被災者への医療費の減免措置について、 施策が先送りされたことは遺憾であり、速やかに、被災者に負担をかけない施策の策定を求めるものである。

5 避難指示区域から避難している被災者が、避難先で定住する場合や帰還する場合の住宅の確保等について、損害賠償だけではまかなえない費用が発生する場合は、その費用を国が支援することを求める。

6 支援法の確実な実施のためには、政府内に外部委員を交えた常設の諮問機関を設け、公開の場で支援法の実施のために継続的に協議していくことのできる体制を確立することが必要である。

ミニ勉強会@西大寺

9月9日、岡山市東区にて、原発賠償問題についてのミニ勉強会を行いました。

チラシ-002


5世帯が参加されました。

今後も,各地の要望に応じて,ミニ勉強会を開催する予定です。

ミニ勉強会@高梁市

9月1日、高梁市にて、原発賠償問題についてのミニ勉強会を行いました。

チラシ-001



雨の中、9世帯の方々に参加をいただきました。

相談会様子
相談会の様子です。

今後も,各地の要望に応じ,ミニ勉強会を開催する予定です。

時効問題について署名活動を行います

時効問題について、署名活動を行います。

署名用紙につきましては、こちら

消滅時効に関する署名-001


疑問点等御座いましたら、ご連絡ください。

時効問題について意見書を出しました

8月30日、当弁護団を含む全国で原発賠償問題に取り組んでいる19の弁護団(当弁護団も入っております)の共同で「福島第一原発事故に係る損害賠償請求権の消滅時効に関し、早急に立法措置を講じることを求める共同意見書」を衆参両院の議長、内閣総理大臣及び関係閣僚、各政党宛に送付しました。

意見書につきましては、こちら

第1 意見の趣旨
政府及び国会は,福島第一原発事故に係る損害賠償請求権については民法724条の3年の短期消滅時効及び20年の除斥期間を適用しないとする立法措置を早急に講ずるべきである。

第2 意見の理由
1 はじめに
2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震災に起因する東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「本件原発事故」という。)から,既に約2年5か月が経過している。
現在も膨大な人数の方が避難生活を余儀なくされており,その人数は福島県民だけで15万1416人(福島県内での避難を含む。)に上る(2013(平成25)年6月13日現在福島県調べ)。
また,放射線被ばくの恐怖を抱えながら従来の住居に残っている多数の方々,福島県民以外の避難者の方々,風評被害等の被害を受けた事業者の方々等も併せると,本件原発事故の被害者数は計り知れない。

2 本件原発事故の被害の特性
被害者は,その損害の賠償を受ける権利を有しているはずであるが,本件原発事故は,広範な地域に住む住民の生活基盤を根こそぎ破壊し,多くの被害者は,約2年5か月経過した現在でも,生括基盤を立て直す見通しが全く立たない状態に置かれており,その損害の全容を把握することは困難を極めている。
過日,原子力損害賠償紛争審査会の能見善久委員長が賠償基準の見直しの必要性に言及したが,本件原発事故から2年以上が経過した時点で未だに賠償基準の見直しが必要となっているのは,正に損害の把握が極めて困難であることの証左である。
また,被害者の中には,避難の途中で被ばくした方,あるいは,現在も低線量被ばくを受け続けている方もおり,晩発性の健康被害も懸念される。その損害の認定方法や賠償額の算定方法については,まだ議論の俎上にすら載っていない。

3 現行法上の消滅時効・除斥期間の概要
原子力損害賠償の消滅時効*1・除斥期間*2については,原子力損害の賠償に関する法律には規定がなく,民法724条が適用されると解されている。すなわち,被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年で消滅時効により,また,不法行為の時から20年で除斥期間により,いずれも損害賠償請求権は消滅する。
したがって,本件原発事故の損害賠償請求権は,理論上は,早ければ2014(平成26)年3月にも消滅する危機に直面している。

4 被害者による権利行使の実情
これまでに東京電力の請求書を用い,あるいは原子力損害賠償紛争解決センターの和解仲介手続を利用して賠償金の支払いを受けた被害者は相当数いるが,そこでは「清算条項」を付さない合意が多用されている(なお,東京電力が最初に作成した請求書類に清算条項が入っていたことは,国会でも大きく取り上げられ,厳しい指弾の対象となった。)。これは,被害の複雑さ故に,当面支払われる賠償金が被害の実態を十分反映した金額となっているか疑義があるため,将来,完全な賠償を受けるための途を残しているものである。
また,本件原発事故から約2年5か月が経過したが,本件原発事故の被害者のうち賠償金を請求している人は一部に過ぎない。東京電力によれば,本件原発事故の仮払金を受領した16万5824人の被害者のうち,本賠償の未請求者は2013(平成25)年5月未現在で計1万1214人にのぼるとのことである。
更に,区域外避難者(いわゆる「自主(的)避難者」)を始め,東京電力が被害者として適切に認定しない方に至っては,中間指針を盾に体よく門前払いされている現実を,我々は目の当たりにしている(なお,それらの方について原子力損害賠償紛争解決センターの和解仲介手続が一定の成果を上げる場合もあるが,その処理能力に限界があることも自明である。)。

5 時効の中断の特例に関する法律案とその限界
2013(平成25)年5月21日,「東日本大震災に係る原子力損害賠償紛争についての原子力損害賠償紛争審査会による和解仲介手続の利用に係る時効の中断の特例に関する法律案」(以下「特例法」という。)が衆議院を通過し,同月29日,参議院を通過して成立した。
これは,原子力損害賠償紛争解決センターに和解仲介申立てを行った本件事故の被害者が,和解仲介の打ち切りの通知を受けた日から1か月以内に裁判所に訴えを提起した場合に,和解仲介の申立ての時に訴えを提起したこととみなすというものであり,同センターに申立てを行った被害者(のうち和解仲介が打ち切りとなった者)のみに限定して,わずかな期間の猶予を与えるというものである。
しかしながら,同センターを利用した被害者は,のベ1万5000人程度であり,上記被害者数に鑑みれば,特例法により救われる者は被害者全体のごく一部に限られ,被害者救済の実効性は極めて乏しい。
しかも,和解仲介手続で請求していなかった損害についても時効が中断するのかなど,その射程範囲が不明確である上,そもそも,現実問題として1か月程度で提訴できるのか,訴訟を日常的に扱う我々には大いに疑問である。

6 附帯決議と更なる立法措置の必要性
特例法に関して,衆議院文部科学委員会は,同月17日,「全ての被害者が十分な期間にわたり賠償請求権の行使が可能となるよう,短期消滅時効及び消滅時効・除斥期間に関して検討を加え,法的措置の検討を含む必要な措置を講じること」という文言を含む附帯決議を,参議院文教科学委員会も,同月28日,「全ての被害者が十分な期間にわたり臆償請求権の行使が可能となるよう,平成25年度中に短期消滅時効及び消滅時効・除斥期間に関して,法的措置の検討を含む必要な措置を講じること」という文言を含む附帯決議を,それぞれ全会一致で可決した。これは,立法者においても特例法が極めて限られた範囲での適用しかなく,被害救済に不十分であることを認識していることを示している。
現在,被害者の間で時効問題は非常に大きな関心事となっている。現在の法制度では,清算条項を付さない合意は全く無駄なものとなり,また,東京電力に現在まで請求していない方々や東京電力から冷たい仕打ちを受けている方々は,早晩,消滅時効を理由に切り捨てられるのが目に見えている。
このような不安から被害者を解放する方策は,新たな立法措置しかない。最高裁判例の中には,除斥期間の起算点をずらすことで被害者を救済した事例もあるが,本件原発事故の被害者がその判例に従って司法により救済されるという保障はなく,やはり立法による救済以外にはない。その意味で,上記附帯決議は極めて重要な意義を有している。

7 よって,政府及び国会は,衆参両院の上記附帯決議に基づき,早急に,福島第一原発事故に係る担害賠償請求権の消滅時効については3年の短期消滅時効及び20年の除斥期間が適用されないとする立法措置を講じるべきである。

以上

*1 消滅時効・・・判決の獲得や債務者による債務の承認などの事由(時効の中断事由)により,期間の進行を振り出しに戻せる制度
*2 除斥期間・・・期間の進行が振り出しに戻ることがない不変期間

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
[共同意見書の提出弁護団]
福島原発被害弁護団(浜通り弁護団),「生業を返せ,地域を返せ!」福島原発事故被害弁護団,ふくしま原発損害賠償弁護団,原発事故被災者支援北海道弁護団,原発被害救済山形弁護団,みやぎ原発損害賠償弁護団,福島原発被害救済新潟県弁護団,原発被害救済茨城県弁護団,原子力損害賠償群馬弁護団,福島原発被害首都圏弁護団,東日本大震災による原発事故被災者支援弁護団(原発被災者弁護団),浪江町支援弁護団,原発被害救済千葉県弁護団,福島原発被害者支援かながわ弁護団,福島原発事故損害賠償愛知弁護団,東日本大震災による被災者支援京都弁護団,原発事故被災者支援関西弁護団,兵庫県原発事故被災者支援弁護団,岡山被災者支援弁護団

支援法具体化訴訟弁護団・SAFLANが声明を出しました

「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」に対する声明

支援法具体化訴訟弁護団
福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)

1 はじめに

本日、復興庁は、原発事故子ども・被災者支援法(支援法)について、「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」(基本方針案)を公表しました。

支援法の施行から1年2ヶ月以上の間、福島第一原発事故に起因する被曝と被災者の生活上の苦しみ・負担は放置されてきました。基本方針案の公表は、遅きに失したと言わざるを得ません。

2 策定プロセスについて

復興庁が、支援法が求めている影響住民・避難者からの意見反映のための措置を経ることなく基本方針案を公表したことは、法の定めに反するものであり、極めて遺憾です。

さらに、復興庁は、今後の意見反映のための措置として、2週間という極めて短期間のパブリックコメントのみを予定しています。これは、支援法が求める意見反映のための措置を満たすものとは言えません。復興庁は、パブリックコメントの期間を延長すると同時に、各地で公聴会を行い、被災者からの意見聴取を行うべきです。

3 支援対象地域について

基本方針案は、事故後「相当な」線量が広がっていた福島県中通り・浜通り(避難指示区域を除く)のみを支援対象地域としています。事故による放射能汚染は、福島県に限られず、より広範な範囲に広がっており、上記の支援対象地域は狭きに失します。また、この地域設定は、福島県外も支援対象地域となる旨の国会での答弁=立法者意思にも反するものです。

そもそも、基本方針案においては、支援対象地域を「支援対象」とする施策は一つもなく、支援対象地域を定めた意味はほとんど存在しません。また、「準支援対象地域」も、施策毎にバラバラに設定されている対象地域を呼び換えただけに過ぎません。

4 支援施策について

今回公表された基本方針案には、福島県外への避難者に対する民間団体を活用した情報提供や相談対応が盛り込まれるなど、若干の前進と捉えられる施策が含まれていないわけではありません。

しかし、基本方針案の被災者生活支援等施策は、そのほとんどが既存施策の寄せ集めに過ぎません。要望が強い新規避難者向けの住宅支援は含まれておらず、避難のための移動の支援も無視され、居住継続と避難のいずれの選択も支援するとの支援法の理念を実現するものとは言えません。

また、福島県外における健康診断の実施や被災者への医療費の減免措置については、さらに今後の検討に委ねられることとされています。支援法の施行後1年2ヶ月以上経てようやく公表された基本方針案の内容が、単なる施策実施の先送りに過ぎないことには、失望を禁じ得ません。今回の基本方針案は、被災者の被曝による健康上の懸念に対応したものとは到底言えません。

5 今後の対応

福島の子どもたちを守る法律家ネットワークおよび支援法具体化訴訟弁護団では、今後も、多くの被災当事者や支援者と連携しながら、支援法の趣旨と理念に即した基本方針の制定を求めて働きかけを行っていきます。

また、基本方針案は、支援法具体化訴訟で原告らが求めていたものとはかけ離れたものとなっています。基本方針が閣議決定された際の訴訟上の対応については、今後原告と弁護団との間で協議する予定です。

以上

(別紙)基本方針案に対する詳細コメント(暫定)

(下記は、8月30日時点における暫定的コメントであり、福島の子どもたちを守る法律家ネットワークでは、今後さらに分析を行いパブリックコメントを提出する予定である。)

○「Ⅰ 被災者生活支援等施策の推進に関する基本的方向」について

基本的方向は、支援法2条の基本理念や同法3条の国の責務に言及しておらず、その結果、基本方針案全体として、2条の基本理念からかけ離れたものとなっている。

新規施策として2つの施策しか挙げられておらず、政府自らが既存施策の寄せ集めに過ぎないことを認めている。

○「Ⅱ 支援対象地域に関する事項」について

第1段落、第2段落において、居住者に対する支援の必要のみが強調されており、避難者も等しく支援するとの支援法の基本理念(2条2項)が無視されている。

支援対象地域は、地放射線量が「一定の基準以上である地域」と定義されているにもかかわらず、「一定の基準」を明らかにしておらず、法の定めに反している。

事故による放射能汚染は、福島県に限られず、より広範な範囲に広がっており、上記の支援対象地域は狭きに失する。

また、福島県は全て支援対象地域となる、福島県外も支援対象地域となる旨の国会での答弁=立法者意思にも反する。

支援対象地域より広範囲な地域を準じる地域として定めるとしているが、実際には、既存の施策毎にバラバラに設定されている対象地域を、準支援対象地域と呼び換えただけに過ぎない。

○「Ⅲ 被災者生活支援等施策に関する基本的な事項」について

記載されている施策のほとんどが既存施策であり、支援法に基づく新たな施策は極めて限られている(現在詳細を分析中)。

居住者(8条)、避難者(9条)、帰還者(10条)のそれぞれにつき掲げられるべき各施策を一括で記載することにより、避難者向け施策が乏しいことを隠蔽している。

国立青少年教育施設におけるリフレッシュ・キャンプが福島県外でも行われることは評価しうる(要確認)。

避難者への移動の支援(9条)としては、母子避難者向け高速道路の無料化措置のみであり、そもそも避難を実施するために必要な移動の支援策が欠けている。

避難者の住宅の確保(9条)としては、民間賃貸住宅の借り上げの延長と公営住宅への入居円滑化という既存施策しかなく、両施策とも新規適用は2012年12月で打ち切られており(後者については確認中)、今後避難を開始する被災者の住宅の確保は全く手当てされていない。

福島県外での健康管理支援(13条2項)のあり方については、有識者会議を開催するとして先送りにされている。

医療費の減免措置(13条3項)については、何も言及されていない。「医療に関する施策の在り方」についても、結論が先送りにされている。

福島県外への避難者に対する民間団体を活用した情報提供や相談対応については、適切な民間団体が請け負うことで、被災者の個別ニーズに対する対応が進むものと評価できる。

各施策の「具体的な内容に被災者の意見を反映し、当該内容を定める過程を被災者にとって透明性の高いものとするために必要な措置」(14条)について何ら言及されていない。
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